Novelsインデックスは
こちら。
うう裏がなかなか手につかない…裏リクくれてる方たちごめんなさい。
ただ公式の送りテソンの前に上げておきたかった。
↑明日だねそっちも楽しみー。
「満員電車 DE テソン Rush!」書いた後に徒歩出勤も読んでみたい?と聞いたら好意的な返事がありまして。
テソンと一緒に徒歩出勤!
だけど今日はいつもとちょっと違う?な感じのシチュエーション
お相手はNL、BLどちらも大丈夫なつもりで書きました。
あと年上でも年下でもOKかと。脳内変換プリーズ。
さきほど無事帰国された
レイチェルに捧げます
ホントにお疲れ様でした!
うちのテソン、よろしければ受け取ってくださいませ。
追記からどうぞ。
「おはよー!」
いつもの声に、振り向く。テソンが駆け寄ってくる。
……大きな犬みたいだ。
なんて考えて、微笑む。
「おはよう」
追いついたテソンが横に並ぶ。二人の歩調が自然に合う。
一緒に歩くようになって、もうどのぐらいになるだろう。
きっかけは、ささいなことだった。一人で歩いていた時、鞄を落とし、中身を盛大にぶちまけてしまったのだ。
たまたま通りかかったテソンが、拾うのを手伝ってくれた。
ありがとう、と礼を言うと、そそっかしいんですね、いたずらっぽく笑いながらテソンはそう言った。
その場はそれで別れた。だけど、その後も月に何度か偶然会うことがあって、会った時は一緒に歩くようになった。
その会う機会がだんだんと多くなって。毎日になって。
一緒に歩く距離も、最初は駅前で別れていたのに、今は職場近くまで一緒に歩いている。
……テソンの行き先って、あそこから近いのかな?
「テソンさ、いつも付き合って歩いてくれるじゃない?それから仕事?それとも学生?」
いつも他愛のない世間話ばかりで、こんな事は聞いたことがなかった。テソンが驚いたような顔をする。
「珍しいね、そんな話」
「うん、ちょっと聞いてみたくなった。」
よかったら、教えて?そう続けると、テソンがにっこり笑う。
「ちょっとは僕に、興味湧いてきた?」
あー、そうなのかな。よくわからないので、さあ、どうでしょー?なんてふざけて返す。
「一応仕事なんだけど、僕の仕事出勤時間一定じゃないから。朝は遅め。」
「ふーん…」
なんの仕事なんだろ。でもこれ以上聞くのは詮索するみたいでよくないか。
「それよりさ、見て見て!今日の僕、いつもと違わない?」
ああ、確かにそれは思った。
テソンは、普段若者らしいファッションが多い。ダメージジーンズとか、個性的な柄のTシャツとか。
今日はこざっぱりしたカッターシャツに、スラックスを穿いている。どちらも名の知れたブランド物なんだろう。デザインが洗練されている。
…スタイルがいいから、何着ても似合うんだよね。うらやましい。
髪型もいつもは無造作に流しているだけなのに、今日はきちんとセットされている。
…髪ふわふわでやわらかそうだなぁ。触ってみたい。
「確かに、なんか大人っぽいっていうか、いつもと違うね」
「どう、似合う?」
親指を立てて、笑ってみせる。やったー!なんていいながらテソンも笑う。
「今日、なんかあるの?」
「あー、今日は特別な日なんだ。」
なんだと思う?にこにこしながら問われて、ちょっと考える。
「あ、もしかして誕生日とか」
「ハズレー。」
「じゃあ、あれだ、デート?」
「あ、ちょっと近い」
デートで近い?なんだか胸がちくり、と痛む。
…え、これ、何だろ。
「……」
黙り込むと、テソンが心配そうに覗き込む。
「あれ、大丈夫?具合でも悪い?」
首を振る。平気をアピールするために少し歩調を早くする。
「じゃあね、ヒント。今日の僕は恋愛運絶好調。」
再び横に並んだテソンが言う。…なんかもう、聞きたくない。
「わからない。」
ちょっと不機嫌が口調にでてしまった。まぁいい、聞きたくないものは聞きたくない。
「正解は、僕今日、告白します!」
やけに嬉しそうに言うテソン。こっちは逆に、なぜかテンションがどんどん下がる。
「ふーん。…よかったね。」
「…応援してくれないの?」
眉を寄せて、悲しそうな表情を浮かべるテソン。慌てて笑顔を作る。
「ごめんごめん。頑張って。」
「ありがとー、でね、聞いて聞いて。」
元のように明るい笑顔に戻ったテソンが、楽しそうに続ける。
「僕とね、すっごい気が合うんだよ。どんな話してても楽しい。」
「ふーん…」
職場の人なんだろうか。逆に幼馴染とか?テソンの周囲のことなんて、全く知らない。
「いつも明るくて、僕に優しいんだ。」
「そうなの。」
テソンは人懐こいし、話しやすいから、誰にでもきっと可愛がられるんだろうな。
「多分すごくモテると思うんだよね。本人無自覚っぽいけど。僕相手にしてもらえるかなー。」
「大丈夫だよ。テソンなら。」
なんだかどんどん暗い気分になってきて、俯いたまま返す。そう、テソンに好意を持たない人なんて、きっといない。
「なんか僕子ども扱いされてる気もして、そこもちょっと心配だな。」
「……」
そう、きっとテソンととても仲がいい人なんだろう。とても近くに居る、存在。
そんな事を考えると、もう相槌をうつのも辛くなってきて、無言のまま歩く。
「歩く姿が綺麗でカッコよくて、初めはそれに見惚れた。」
立ち止まったテソンに、後ろから腕を掴まれた。
「そそっかしいところもあって、しかも鈍感。」
…もうホントに聞きたくない。腕を振り払おうとしても、逆に強く掴まれただけだった。
「僕が鞄の中身拾ってあげる前から見てたのに、全然気付いてくれなくて。」
え、それって…え?混乱したまま振り向くと、やけに真剣な表情をしたテソンと目が合う。
しばらく黙ってテソンの顔を見ていると、テソンが柔らかく表情を崩した。
「僕、その人のために、毎日早起きしてるんだ。」
これは…もしかして、もしかしなくても、やっぱり…これは。
かぁ、と顔が熱くなる。きっと真っ赤になってる。俯く。
「あ、さすがに鈍感なその人も、気付いたみたい。」
笑い混じりの声が降ってくる。だめだ、今、顔上げられない。
「でね、これ。僕のこれと、おそろい。」
俯いたままの視界に、小さな箱が差し出される。左手の人差し指が、右手の薬指の指輪を示している。
「…貰ってくれる?」
どきどきと、高鳴り始める心臓。そんなわけないのに、テソンにまで聞こえてしまいそうで。
ああ、いま、わかった。テソンのこと、好きなんだ。
震えそうになる手を握り締めたまま、箱にゆっくりと伸ばす。と、手を掴まれて、掌の中に箱が置かれた。
テソンの両手が、その上からそっと包み込む。
「ありがとう。僕、嬉しい。」
そのまま持ち上げられ、指先に口付けられる。
「テソン…」
「あ、信号信号!赤になっちゃう!」
手を握ったまま駆け出すテソン。気付けばその手はとても熱くて。髪の間から覗く耳も真っ赤で。
引き摺られるように駆け出しながら、くすくす笑い出す。
…明日からも、いっしょに歩こうね。テソン。